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ノケモノノケモノ_チラシ_あらし強_色置き換え

ノケモノノケモノ

本当はノケモノなんていやしない

 

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■人間はノケモノ?

 

業界最大手自動車メーカーに勤務するハラミヤ(役:音尾琢磨)は、田舎に工場を作ろうと地主と話しを付けに行くが、都会から来たというだけで相手にもされず一蹴されてしまう。

 

連れてきた部下と共に、帰りのバス停でバスを待ちながら途方に暮れるが、部下は部下で中々来ないバスに痺れを切らし、地主にタクシーを呼んでもらえるよう説得しに行ってしまった。独りぼっちで椅子に座り込む原宮だったが、どこからか現れた謎の青年イルマ(役:小林賢太郎)に誘われ、不思議なバスに乗り込んでしまう。

 

そのバスの行く先は――――地球上の生物を生み出そうと四苦八苦する『創造主』の住む世界だった。

 

 

というのが、簡単なあらすじです。以下感想とネタバレになります。

 

 

この創造主の住む世界は不思議で、ハラミヤにとっては世界が歪んで見える上に、住民が話す言語はどの言語にも属さない。

 

しかし、イルマが「歪んでいないと思いこみなさい」「頑張って言葉を理解しようとしてみなさい」とアドバイスし、その通りにハラミヤが実行するとあら不思議。歪んで見えていた世界が歪まなくなり、言語も文字も理解できるようになりました。

 

どうしてこうなったのか、私はイマイチ読み取れている自信が無いのですが、要は『自分を他人から見た自分として生きる』では無く、『自分が認められる自分として生きろ』ってメッセージなのでしょうか。

 

主人公のハラミヤは、高校に入ると同時に他人から幼稚扱い(ノケモノ)にされたくないが為に、物心付いた時から集めていたミニカーを一切合財捨て、それでも車への情熱を諦めきれずに大手自動車メーカーに就職する中途半端な人間でした。

 

そして中途半端に生きた彼は、創造主に関してイルマから聞かされます。

 

まず創造主は、粘土みたいなよく分からない物で特徴にある動物を作って行きました。空の格好いい鳥(鷲)、地上で強い動物(ライオン)、海で大きな魚(ジンベエザメ)など。

 

次いで、基礎となる動物を作っていきますが、あまりにも動物の数が少なすぎるので、余ったパーツで動物の種類を増やしました。鳥の羽のパーツが余ったから魚に継ぎ足して『トビウオ』。魚の鱗のパーツが余ったから動物に継ぎ足して『センザンコウ』などなど。これらは主人公から見てみると、自分と同じよう『ノケモノ』に感じてしまい、ノケモノを作り出した創造主に反感を抱きます。

 

それが、イルマや創造主、狩人と出会い、最後の最後に自分の気持ちに素直になって終了だったので、恐らくはそういったメッセージ性が込められていたのではと勝手に解釈しています。

 

 

また、作品のジャンルですが、笑える部分は非常に少なく、コントが主体でコメディチックな作品とは違い、シリアスなSFホラー作品として確立されていたので、演劇として見ればかなり楽しめる作品だったかなと思います。

 

 

最初の、ハラミヤがバスに乗って創造主の住む世界に移動する際の描写がかなりおどろおどろしており、創造主(つまりは神様)が居る事前提で話が作られていましたし、現実とはかけ離れた場所を舞台にされていましたので、少々世界観に慣れるのに時間がかかると思われますが・・・・・・。

 

 

それと、映像を使った演劇を主体とする『TEAM NACKS』の音尾さんが出演していたからなのか、視覚効果に凝った作品でしたね。

一つの大きな屏風をスクリーンに見立て、そこに様々な映像を映し出して劇をしていました。かなり見応えがあったので、まだ御覧になっていない方には是非とも見て欲しいです。

 

 

それとそうだ。過去の公演で作られた『ない慣用句』が再び使われていました。ノケモノノケモノというタイトルにちなみ、ない慣用句は全て動物が入っていましたけどね。例:「こめかみにロバ」「ザリガニに肘を舐められる」

 

ただ、言葉が元から主人公に理解できない世界で産まれた慣用句なので、一部を除いてまったく理解できず、それが5分前後続くので、聞いていても退屈と感じた方がいらっしゃるみたいです。(ちなみに理解できる慣用句として「狐の嫁入り」が出てきたりもしました)

 

とまぁ長々と、感想に関係あること無いこと書きましたが、スイスの公用語は英語じゃなかったり、主人公のハラミヤが情緒不安定だったりと見ていてハラハラしましたが、個人的には2時間半見るだけの価値はあったかなとおもいましたまる

 

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ちなみに、コバケン演じるイルマを漢字で変換してみると『入間』、『人間』と微妙に違う漢字になるという小ネタも仕込まれていました。ここはコバケンらしさが見え隠れしましたね。

 

それと、私は19日午後7時の部だったのですが、最後の最後にコバケンが拍手に応えて舞台袖から出てきた際、「あまり舞台裏と言うか、メイキングの話はしないんですけども、創造主の家がある樹、あったじゃないですか。あれの樹の枝って――――で根っこの創造主の部屋が――――」と、裏方のお話をしてくださいました。(ミンナニハ ナイショ ダヨ と仰っていたので詳しくは書きませんが(おぉ~)と心の中で感心するような裏話でした)

 

 

また、この日の公演はカメラが入っていまして、コバケン曰く「いつの日か映像化される」らしいです。一度見ただけじゃ小首を傾げる箇所がいくつかあったので、もう一度見直すが楽しみです。以上。

 

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